「ダフニスとクロエ」について
カラーリトグラフ・アルバム
42枚1組。豪華特製版60部(うち30部は版元と画家の保存用)
アルシュ紙刷りの普及版は250部(そのほか20部のHC版がある)
紙面サイズは、42枚中26枚が32X42cm。16枚が42 X 64cm。
1961年制作。ヴェルヴ社刊。
シャガールがギリシャの牧歌的伝説『ダフニスとクロエ』のためのカラーリトグラフの制作を決意したのは、1949年フランスの豪華美術誌“ヴェルヴ”の編集長テリアードの強力なすすめによる。
画家はこの仕事のために、52年と54年の二度にわたりギリシャへ旅行している。
制作の実際面で協力したムルロー工房のフェルナンド・ムルローは“永遠の風景のなかでの牧歌的な愛のテーマが生かされたシャガールの最高傑作。”“清澄かつ豊醇な音楽を思わせるこれらの石版画には、宗教的なユダヤの魂と官能的なギリシャの心が融合し、独特な愛の世界を高らかに奏でている”と絶賛した。
「ダフニスとクロエ」は紀元2〜3世紀のギリシアの小説家ロンゴスが書いた純愛小説です。小説の舞台となったのは、エーゲ海に浮かぶレスボスという島です。この島の森で山羊飼いラオモンに育てられた美少年ダフニスと、羊飼いドリュアスに育てられた美少女クロエが数々の試練や困難に立ち向かい、最後にめでたく結ばれるというお話です。
ヨーロッパ文化の真髄というべきギリシア文化のこの作品は、昔から数々の画家によって題材として取り上げられてきました。世紀最高の愛と幻想の画家と呼ばれる、マルク・シャガールもまた、この絵をもとに美しいリトグラフ集を制作したのです
M325「ダフニスの夢とニンフたち」はこのような場面を描いたものです。
町から来た金持ちの青年たちに、ヨットが風で流されたのはお前のせいだと言って、折檻されたダフニスは、傷つき気を失う。
クロエは瀕死のダフニスを洞につれて行き、接吻して蘇生させる。
深いまどろみの中で、ダフニスは三人の美しいニンフたちに「パアン様にお願いして、すべてを元通りにしてあげましょう。」とやさしいお告げを受ける。
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